「認知症の家族とどう接すればいいのかわからない」「同じことを何度も聞かれて、つい強く言ってしまう」
このように悩んでいませんか。
認知症の人との関わり方は、接し方のポイントを知るだけで大きく変わります。

正しい対応を知ることで、本人の不安を減らし、家族も落ち着いて向き合いやすくなります。
この記事では
認知症の人との接し方7つ
会話のポイント
避けたい対応
症状別の関わり方
家族が疲れない介護の考え方
をわかりやすく解説します。
読み終えるころには、認知症の家族と安心して向き合うためのヒントが見つかるでしょう。
家族が実践したい認知症の接し方7つ
認知症の人と接するときは、基本的な接し方を意識することが大切です。
対応の仕方によって、本人の不安や混乱は大きく変わります。
認知症では記憶や判断力が低下しますが、感情はしっかり残っています。
そのため、安心できる関わり方を心がけることが重要です。
共感して気持ちを受け止める
認知症の人と接するときは、まず気持ちを受け止めることが大切です。
認知症になると、自分の状況がわからず不安を感じやすくなります。
そのため、否定されると混乱が強くなることがあります。
例えば
「財布を盗まれた」と言われたときに「そんなことはない」と否定すると、不安が強くなります。
このような場合は「それは心配ですね」と共感する言葉をかけると安心しやすくなります。
本人のペースに合わせる
認知症の人には、本人のペースに合わせて接することが重要です。
認知症では理解や判断に時間がかかることがあります。
急がされると混乱しやすくなります。
例えば
着替えや食事の準備を急かすとうまく進まないことがあります。
時間に余裕を持って見守ることで、落ち着いて行動しやすくなります。
できることを尊重する
認知症になっても、すべてができなくなるわけではありません。
できることまで奪ってしまうと自信を失う原因になります。
例えば
簡単な家事
身の回りのこと
食事の準備
などはできる場合があります。
小さな成功体験を大切にすると、自信や安心感につながります。
短くわかりやすい言葉で伝える
認知症の人には、短く簡単な言葉で伝えることが大切です。
長い説明や複雑な話は理解しにくくなります。
例えば
「準備して出かけましょう」より
「今から出かけます」
「靴を履きましょう」
のように順番に伝えると理解しやすくなります。
否定しない言い方を意識する
認知症の人は、自分の話が正しいと思っていることが多いです。
そのため
「違うよ」
「さっき言ったでしょ」
といった言葉は、不安や怒りを生むことがあります。
代わりに
「そう思ったんですね」
「一緒に確認してみましょう」
と伝えると安心しやすくなります。
目線を合わせて話す
目線を合わせることで、安心感が生まれます。
立ったまま上から話すと、威圧感を感じることがあります。
椅子に座っている人には少しかがんで目線を合わせて話しましょう。
穏やかな表情で話すことも大切です。
話を最後まで聞く
認知症の人は、言葉が出にくくなったり話がまとまりにくくなります。
そのため、話すのに時間がかかることがあります。
途中で話を止めず最後まで聞く姿勢を持つことが大切です。
聞いてもらえることで安心感が生まれ、信頼関係につながります。
認知症との会話で意識したいポイント
認知症の人との会話では、話し方を工夫することが大切です。
普段と同じ会話では伝わりにくいことがあります。
会話で意識したいポイントは次のとおりです。
- ゆっくり話す
- 短い言葉を使う
- 落ち着いた声で話す
- 笑顔で接する
言葉だけでなく、雰囲気や態度も大切なコミュニケーションになります。

認知症の人への対応で避けたい行動
認知症の人に対して、避けたほうがよい接し方もあります。
間違った対応は、不安や混乱を強めてしまうことがあります。
特に注意したい行動は次のとおりです。
- 間違いを強く指摘する
- 急かして行動させる
- 怒った態度をとる
- 無視する
認知症の人は、言葉の意味が理解できなくても相手の感情には敏感です。
穏やかな態度で接することが大切です。

症状別に見る認知症の関わり方
認知症の人の行動には、症状が関係しています。
その理由を理解すると、落ち着いて対応しやすくなります。
同じ質問を繰り返す
認知症では、新しい記憶が残りにくくなります。
そのため「今日は何曜日?」「ご飯はまだ?」と何度も聞くことがあります。
この場合は
- 毎回落ち着いて答える
- カレンダーを置く
- メモを書く
などの工夫が役立ちます。
物を盗られたと言う
物の置き場所を忘れてしまい「盗まれた」と思い込むことがあります。
このときは「そんなことはない」と否定するより
「一緒に探してみましょう」
と声をかける方が安心につながります。
帰りたいと言う
認知症の人は「家に帰りたい」と言うことがあります。
これは昔住んでいた家を思い出している場合や安心できる場所を求めている場合があります。
まずは「家が気になるんですね」と共感しましょう。
そのあと
- お茶をすすめる
- 散歩する
などで気持ちを落ち着かせることがあります。
認知症介護で家族が疲れないための考え方
認知症の介護では、家族の負担を減らすことも重要です。
介護は長く続くことが多いため無理をすると心身の負担が大きくなります。
大切な考え方は次の3つです。
- 介護を一人で抱え込まない
- 完璧な介護を目指さない
- 自分の休息を大切にする
厚生労働省では、こうした家族支援を目的にレスパイト(介護者の休息)サービスの充実を進めています。

認知症の介護を支える支援制度
日本では、認知症介護を支える制度があります。
代表的な制度が介護保険サービスです。
主な流れは次のとおりです。
1 市区町村へ申請
2 要介護認定
3 ケアプラン作成
利用できるサービスには
- 訪問介護
- デイサービス
- 訪問看護
- ショートステイ
などがあります。
また、介護の相談窓口は地域包括支援センターで受けることができます。
参考文献
| タイトル | URL | 発行元 |
|---|---|---|
| 認知症の人と接するときの心がまえ | https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a04.html | 厚生労働省 |
| 認知症ケア法-認知症の理解 | https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000701055.pdf | 厚生労働省 |
| 認知症の方と関わるとき~大切な7つのポイント~ | https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/55.html | 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター |
| 認知症介護の基礎知識(家族向けテキスト) | https://www.ncgg.go.jp/hospital/monowasure/family/documents/hajimenoippotext.pdf | 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター |



