カテキンの健康効果と注意点|緑茶の飲み方と研究でわかっていること
カテキンは、緑茶の渋みに関わるポリフェノールの一種です。
抗酸化作用があり、体脂肪やコレステロールへの影響も研究されています。
ただし、成分の性質と、人がお茶を飲んで得られる健康効果は別です。
研究結果を、そのまま「飲むだけで痩せる」「病気を防げる」と読み替えることはできません。
カテキンとは
緑茶に含まれる代表的なカテキンに、エピガロカテキンガレート(EGCG)があります。
緑茶には、カフェインやテアニンなども含まれています。
そのため、緑茶を使った研究の結果が、すべてカテキン単独の働きによるものとは限りません。
研究を読む際は、通常の緑茶、成分量を調整した飲料、濃縮エキスのどれを使ったかを確認する必要があります。
カテキンの健康効果はどこまで確認されている?
抗酸化作用は、老化防止の証明ではない
カテキンには抗酸化作用があります。
しかし、この性質だけで、人の老化や病気を防ぐ効果が証明されたことにはなりません。
緑茶やその抽出物については多くの研究がありますが、健康効果の多くは確実な結論に至っていません。
「若返る」「血管の老化を防ぐ」といった効果を、通常の緑茶の飲用だけで保証することはできません。
体脂肪の減少を報告した国内研究がある
2005年の国内比較試験では、20〜65歳、BMIが22.5超〜30以下の成人195人を対象に、カテキン量の異なる飲料を12週間摂取しました。
各群とも、250mLの飲料を1日3本、食事時に飲んでいます。
| 群 | 1日当たりのカテキン量 | 開始時の平均体重 | 12週間後の平均体重 |
|---|---|---|---|
| 対照群 | 41.1mg | 68.7kg | 69.4kg |
| 低用量群 | 444.3mg | 68.4kg | 67.7kg |
| 高用量群 | 665.9mg | 68.4kg | 67.8kg |
カテキン摂取量の多い2群では、対照群と比べて体重や内臓脂肪面積の減少が報告されました。
これは、成分量を調整した飲料を継続して摂取した結果です。
通常の緑茶一杯で同じ効果が得られることや、すべての人に適した摂取量を示すものではありません。
コレステロールへの働きは製品ごとに確認する
茶カテキンを含む特定保健用食品には、LDLコレステロールを低下させる旨の表示が許可された製品があります。
許可は個別の食品に対するものです。一般の緑茶すべてに、同じ効果が認められているわけではありません。
感染症予防の効果は十分に確立していない
試験管内でウイルスの働きを抑えても、お茶を飲むことで人の感染を防げるかは別の問題です。
医薬基盤・健康・栄養研究所は、茶やカテキンによるインフルエンザ・呼吸器感染症の予防について、十分な科学的根拠があるとはいえないと整理しています。研究の質や、結果のばらつきが理由です。
緑茶や緑茶うがいを、手洗いや換気などの感染対策の代わりにはできません。
緑茶の淹れ方と飲む量
温度と時間は茶葉に合わせる
農林水産省は、お茶の味を引き出す目安として、次の条件を紹介しています。
| 茶葉 | お湯の温度 | 抽出時間 |
|---|---|---|
| 煎茶 | 70〜80℃ | 30秒〜1分 |
| 玉露 | 50〜60℃ | 1〜2分 |
これは、おいしく淹れるための目安です。健康効果が最大になる条件ではありません。
杯数だけで摂取量を決めない
お茶の成分量は、茶葉の量、湯温、抽出時間などで変わります。
湯のみやカップの容量も異なるため、「1日3〜5杯」という杯数だけでは摂取量を判断できません。
特定保健用食品などは、製品に記載された一日摂取目安量を確認します。
多量に飲むことで、健康効果がさらに高まるとは限りません。
運動前に飲む効果は、この研究では確認できない
前述の2005年の試験は、食事時に飲料を摂取した研究です。
「運動の30分前に飲むと脂肪燃焼の効果が高まる」ことを検証していません。
この研究から、運動前の飲用を効果的なタイミングとして勧めることはできません。
カフェインの注意点
ほうじ茶もカフェインゼロではない
農林水産省が掲載する代表値では、煎茶とほうじ茶のカフェイン量は、いずれも抽出液100mL当たり20mgです。
ただし、測定に用いた茶葉の量や抽出時間は異なります。
すべての製品や淹れ方に当てはまる固定値ではありません。
ほかの飲み物や薬に含まれる量も確認する
カフェインを過剰に摂取すると、不眠、心拍数の増加、吐き気などが起こります。
影響には個人差があります。
摂取源は緑茶だけではありません。コーヒーや紅茶、エナジードリンクのほか、一部の市販薬にも含まれています。
子ども、妊娠・授乳中の人、カフェインに敏感な人は、摂取量への配慮が必要です。
農林水産省は、カフェインを取り除いた製品の利用も選択肢として挙げています。
通常の緑茶と高濃度エキスは区別する
食品安全委員会が紹介する安全性評価では、伝統的な方法で淹れた緑茶は、一般に安全と評価されています。
一方、EGCGを含む緑茶抽出物のサプリメントでは、まれに肝障害が報告されています。
通常のお茶と濃縮製品を、同じリスクとして扱うことは適切ではありません。
サプリメントについては、安全と判断できるEGCGの摂取量が特定されていません。「天然成分だから安全」「一定量未満なら必ず安全」とは判断できません。
肝疾患がある人は、緑茶抽出物を使う前に医師へ相談が必要です。
使用中に腹痛、濃い色の尿、黄疸などが出た場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。
よくある質問
ペットボトルの緑茶にもカテキンは含まれる?
含まれます。カテキンを配合したボトル飲料を使った国内研究もあります。
ただし、成分量は製品によって異なります。
研究用の飲料で得られた結果を、すべての市販品に当てはめることはできません。
子どもには少量なら飲ませてもよい?
年齢や飲む量を確認せずに「問題ない」とは言い切れません。緑茶やほうじ茶にはカフェインが含まれます。
子どもの飲み物を選ぶ際は、カフェインの有無や飲む量を確認する必要があります。
機能性表示食品は国が効果を認めた食品?
機能性表示食品は、事業者の責任で科学的根拠などを届け出る制度です。
特定保健用食品とは異なり、国が製品ごとの安全性と機能性を個別に審査する制度ではありません。
主な参考資料・論文
農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
医薬基盤・健康・栄養研究所「『感染症予防にお茶が効く』等の情報に注意」
資料ページ
食品安全委員会「緑茶カテキンの肝毒性に関する声明」
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06410980535
論文「Tea Catechins with a Galloyl Moiety Reduce Body Weight and Fat」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhs/51/2/51_2_161/_article/-char/ja
免責事項
当ブログは、カテキンやお茶に関する一般的な情報を提供するもので、医療専門家による診断・治療・助言に代わるものではありません。
記事で紹介する研究結果は、特定の対象者や摂取条件で得られたものです。すべての人に同じ効果や安全性を保証するものではありません。
持病がある方、妊娠・授乳中の方、薬を服用している方は、高濃度のカテキンを含む製品やサプリメントを使用する前に、医師・薬剤師に相談してください。体調に異変が生じた場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。
掲載内容は更新日時点で確認した資料に基づいています。研究の進展や公的機関の情報更新により、内容が変わる場合があります。
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