📌 この記事の要点
- 寝床での画面使用が長いことと、不眠症状・短い睡眠時間には関連が報告されている(ただし因果関係は不明)[出典2]
- ブルーライトだけでなく、明るさ・時間帯・使用時間・内容も影響要因として検討されている
- 夜間モード(Night Shift)だけでは睡眠改善は確認されていない[出典3]
- 対策の基本は「使用を終える時刻を決める」「寝室に持ち込まない」「睡眠時間そのものを確保する」の3点
- 生活に支障が出ている場合は、3か月を待たずに医師に相談を[出典4]
就寝前のスマホ使用を見直す際は、画面の光だけでなく、使用時間と寝床での過ごし方を確認する必要があります。[出典2]
スマホと睡眠の関係でわかっていること
2025年の研究:寝床での使用時間と睡眠の関連
- 対象:ノルウェーの大学生(18〜28歳)
- 方法:質問票による横断研究
- 結果:寝床での使用時間が長いほど、不眠症状が多く、睡眠時間が短いという関連あり[出典2]
⚠️ 注意点
| 限界 | 内容 |
|---|---|
| 因果関係不明 | スマホ使用が不眠の原因か、不眠の人がスマホを長く使うのかは判断できない |
| 対象の限定 | 学生対象であり、全年代に当てはめることはできない |
ブルーライトだけでは説明できない
- 厚生労働省の睡眠ガイド:夜の強い光がメラトニン分泌を抑え、睡眠・覚醒リズムや入眠に影響[出典1]
- 確認すべき要素は光の色だけでなく、明るさ・浴びる時間帯も含む
情報刺激と睡眠時間の減少(検討されている仕組み)
研究で挙げられている要素[出典2]:
- 画面を見る時間が、眠る時間に置き換わる
- 光が体内時計に作用する
- 見ている内容によって覚醒度が高まる
- 通知が睡眠を妨げる
❌ 「スマホを見ると脳が休息モードに切り替わらない」と一律に説明することはできません。各要素の実生活での影響度は、十分に解明されていません。
症状だけでは原因は決められない
よくある睡眠の悩み
| 悩み | 状態 |
|---|---|
| 寝つきが悪い | 眠ろうとしても、なかなか眠れない |
| 夜中に目が覚める | 途中で目が覚め、再び眠るのが難しい |
| 早く目が覚める | 希望する時刻より早く目が覚める |
| 休まった感じがない | 寝た後も疲労感や眠気が残る |
- こうした症状だけでは、スマホが原因かどうかはわからない
- 診察では、睡眠習慣・薬・カフェインや飲酒・ほかの病気なども確認する[出典4]
不眠症の診断目安
- 「寝つくまでに1時間以上かかるか」だけで判断しない
- 症状の頻度・期間・日中生活への影響も評価される
- 慢性不眠症:週3回以上 × 3か月以上が目安[出典4]
- ⚠️ 生活に支障がある場合は、3か月を待たず相談が必要
寝る前のスマホ習慣を見直す5つの方法
就寝前に使用を終える時刻を決める
- CDC推奨:就寝の少なくとも30分前に電源を切る[出典5]
- 実行例:アプリの終了時刻を決める/動画の自動再生を止める/就寝前にアラーム設定を済ませる
- ⚠️「30分前」は生活習慣の目安であり、確実な入眠を保証するものではない
寝床で画面を見続けない環境にする
- 厚労省推奨:寝室にスマホ・タブレットを持ち込まない[出典1]
- 工夫例:ベッドから手の届かない場所に置く/夜間の不要な通知を止める(必要な連絡用の通知は残す)
夜間モードだけで対策を終えない
- 2021年RCT:18〜24歳167人を3群(Night Shift有効/無効/不使用)に分け7夜調査
- 結果:3群間で睡眠指標に有意差なし(Night Shiftによる改善は未確認)[出典3]
- → 使用時間・寝室の明るさも合わせて見直す必要あり
スマホ以外の静かな行動に置き換える
- 例:読書、穏やかな音楽[出典7]
- 不眠症の行動療法:眠気があるときに寝床に入り、眠れなければ一旦寝床を離れる(寝床と睡眠の結びつきを整える)[出典7]
睡眠時間と日中の習慣も確認する
- 厚労省:成人は6時間以上を目安に、個人に必要な睡眠時間を確保[出典1](6時間で全員十分という意味ではない)
- CDC推奨:毎日の就寝・起床時刻を揃える/午後・夕方のカフェインを避ける/就寝前の飲酒・大量の食事を控える[出典5]
睡眠日誌のすすめ(受診前1〜2週間)
記録する項目:[出典4]
- 寝た時刻と起きた時刻
- 夜中に目が覚めた状況
- 昼寝の時間
- 日中の眠気
- カフェインや飲酒の時刻
- 運動した時間
- スマホの使用を終えた時刻
⚠️ 記録だけで原因を確定することはできない
医療機関に相談する目安
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 睡眠の問題が仕事・家事などの日常生活に影響 | 医師へ相談が必要[出典4] |
| 十分寝ても強い眠気が続く/大きないびき/睡眠中の呼吸停止 | 睡眠時無呼吸症候群等の確認が必要[出典6] |
| 不眠が長期化 | CBT-I(不眠症に対する認知行動療法)が通常、最初の治療選択肢として勧められる[出典7] |
参考文献
出典1 厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』(2024年9月18日一部修正) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
出典2 Hjetland GJ ほか(2025)Frontiers in Psychiatry.
https://doi.org/10.3389/fpsyt.2025.1548273
出典3 Duraccio KM ほか(2021)Sleep Health.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33867308/
出典4 NHLBI『不眠症の診断』
https://www.nhlbi.nih.gov/health/insomnia/diagnosis
出典5 CDC『睡眠について』
https://www.cdc.gov/sleep/about/index.html
出典6 NHLBI『睡眠時無呼吸症候群の症状』
https://www.nhlbi.nih.gov/health/sleep-apnea/symptoms
出典7 NHLBI『不眠症の治療』
https://www.nhlbi.nih.gov/health/insomnia/treatment
免責事項
本記事は、スマートフォンと睡眠に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医師やその他の専門家による診断・治療・助言に代わるものではありません。
記載されている内容は、すべての方に同様の効果や結果を保証するものではなく、個人の体調や生活習慣によって感じ方や影響には差があります。
睡眠障害が長期間続く場合や、日常生活に支障をきたしている場合、強い不調や不安を感じる場合は、自己判断せず、医療機関や専門家にご相談ください。
本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる損害や不利益についても、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
内容は執筆時点の一般的な知見に基づいており、今後の研究や環境の変化により、情報が変更される可能性があります。
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